サバイバー紀行(7日目)


5月4日(火・みどりの日

 

■12時

布団からちっとも出られないが、子どもたちの駆け回る足音で目覚める。私の部屋で私を待っているようで、なんと可愛いのだろう、飛び起きる。滞在2日目に出会ったアーティストのお子さんである。今日は小学5年生のお子さんも一緒のようだ。時々きょうだい喧嘩が起こるが、穏やかな態度で、どちらの感情も軽視しないような声掛けに努める。1階の共有スペースでまたドリルの音が鳴る。2階で私は子どもたちとお喋りを始める。


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小学生のお子さんはりぼんっ子とのこと。新連載がお勧めだから読んで!と言われてページを開く。私も20年前はりぼんっ子だった(しかし今と同じで気が多かったので、最終的には、ちゃおもなかよしもすべて購入していた)。当時から活躍していた漫画家の名前を見かけ嬉しくなった。唐突に「チョコミミって知ってる?」と聞かれ、もちろん知っていると答える。作者は亡くなったんだよ、と教えてもらう。調べると2019年8月に乳がん闘病の末に逝去とのことだった。私の周囲も、がんサバイバーは多い。他人事ではないからこそ定期検査を継続したい。また、子宮頸がんを予防するためのワクチン(今年2月に9価HPVワクチン「シルガード9」が発売。昨年末には4価ワクチン「ガーダシル」の接種対象に男性を追加承認。)も今年摂取する予定だ。身近な男性がワクチンを打ったと知り刺激を受けたことと、未来を生きる人たちの存在を考えると普及啓蒙のためにも行動しなくてはと感じたからだ。親密な間柄の人たちにも積極的に勧めても良いかもしれない。


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子どもたちに誘われて近所の公園へ。ブランコに乗る。滑り台で戯れる。私と子ども2人で同じ重量(50kg)なので1対2で乗ったシーソーは揺れを調整しやすくて盛り上がった。勢いよく板が跳ね上がるのでスカートが破れるかと思った。楽しかった。

大阪の愛する人たちにも移住して子育てを手伝ってほしいなあと言ってもらえたけど、関西で暮らす沢山の愛すべき女性たちの育児を手伝うことで生計を立てられる未来があるかもしれない。一応養育に関する資格もある。独りよがりの妄想だが、希望に富んだ妄想ではある。


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子どもたちが原っぱを駆け回り、白詰草をたくさん集める。花冠を作るよう司令が下るも、下手くそすぎて全然だめだった。ごめんなさい。でも草を編んでいるときはただただ無心になれて、癒やされた黄昏時だった。こういう時間がないとだめみたい。草原に寝転がりたくて仕方なかった。

 

金髪の草原

金髪の草原

 

子どもに触れるということについても書いておく。私は、"子どもは可愛いから"という理由で大人が無邪気に子どもの顔や身体を触ることがいつも怖い。そういう場面に居合わせるとビクビクしてしまう。たとえば子どもが私の胸に飛び込んでくれたり、背中にもたれ「おんぶして」と身体に乗り掛かるときは、もちろん全力で抱きしめ返すし歓待する。ただし自分からむやみやたらに触ることは極力控えるようにしている。そして私自身も触られたくない部位があれば触られたくないと伝えるようにしている。大人か子どもか、そこに年齢は関係なく、心身の境界線があり同意が必要と考えるからだ。「今あなたに触れたい(今は触れられたくない)」「あなたに触っていいですか」という相互確認。言語と非言語のやり取り、身体表現のバリエーション(正面から手を広げて相手を待つのと後ろからいきなり抱きつくのは全然怖さが違う)、シチュエーション、関係性、親密性、いろいろな要素が絡み合う。私は性暴力のサバイバーであるからこそ、紆余曲折はしたけれど、他者に触れる(そして触れられる)ことが本当に好きだ。剥き出しになる先端には、哀しみと慈しみと歓びが含まれているから。

 

 

■18時

アーティストが作業を終えて、子どもたちを迎えに来る。ご厚意で途中まで車に乗せてもらう。チャイルドシートから寝息が聞こえる。小学生のお子さんが最近流行りの『炎炎の消防隊』という作品について熱く語ってくれる。烏丸御池で下車する。


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京都で知り合った学生さんお勧めのpatisserieに立ち寄る。奔女会用のケーキを選ぶ。

 

■19時20分

またもや主催者遅刻。初関西開催を祝う。リピーターの方によるとちょうど2年前のゴールデンウィークが初回だったようで、当時の写真が残っていた。めでたいな。2周年を祝う。嬉しくてワインを飲みすぎてしまう。翌日重い頭痛に悩まされることが確定する。


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幸せな気持ちで帰宅しようとしたら緊急事態宣言により終電が早まっている模様。最寄り駅まで迎えに来てもらえて大変助かった。そのままシャワーを借りて、就寝。