人生、添い寝にあり!

添い寝の伝承

2021-01-01から1年間の記事一覧

わたしを引き受けていくために在る身体

わたしというこの身体が幻想であってほしいと願う日があるけれども、この身体がわたしをわたしたらしめるのだと思うと本当に救いがないし逃げ場がない。 先日、事故に遭って生死を彷徨った人を講師に招いての講演会を担当することになった。視聴申し込みは20…

複数ある親愛関係の運用についての私見(リレーションシップ・アナーキー/ポリアモリーという言葉では括りきれない何かについて)

恋愛をやめて7年ほどが経つ。それはつまり『恋愛(≒相手からの要望であり提案)を引き受けるのをやめること』『「恋愛感情」「恋愛関係」に依拠しない、非恋愛的な親愛関係を模索すること』を実践して7年ほどが経つということだ*1。 以下は恋愛をやめる直前…

「料理のコミュ障」かもしれない

新型コロナウイルスが流行してから、免疫力上げなきゃなあ…と思って栄養バランスを気にしながらの自炊が増えたが、同居人のために料理をするということは一切していない。相手もそうで、お互いが自分のためにご飯を作り美味しく出来たらつまみ食いし合うとい…

添い寝によって生き延びたら20代が終わった

最近作ったり買ったり贈られた食べ物(ᵔᴥᵔ) 20代が終わった。長かったようなあっという間に過ぎた幻ような、そんな経過。手から零れ落ちる感覚も、10年という歳月がぎっしり詰まっているような重さもある。今日の私は舞台芸術に携わっていて、まとまった休み…

ひとの数ゆび折る愛の世界線わたしはそこで息してないな

昨年京都で購入した塩胡椒の容器が空になって、縦にも横にも振っても何も出て来なくなってしまった。一年はあっという間に過ぎて、過ぎたが、いまだ感染症は収束しないどころか悲惨な状況がある。政治の要因が大きいだろう。コロナが流行する前に街角を歩い…

サバイバー紀行(8月29日)

「あなたとの訳わからないあの日々に、私はどれほど救われたか」 ※性暴力に関する記述があります。安全と感じられる場所でお読みください。※ 十年前、加害者に自宅を知られていた私はもうそこに住み続けることができる心理状態ではなくて、焦る気持ちで荷造…

Prego con tutto il cuore per l'anima

6年前の8月14日。今年の8月14日。その偶然に立ち竦む。映画『イデオッツ』のストファーを思い出す。彼は「お仲間」たちと「演劇」をしながら共同生活を送っている。その表現は露悪的で差別的で品性の底が抜けている。しかし低すぎるがあまりに転じた遥か遠く…

雨の日の盆踊り、夢のなかで

十代の頃、雨の日が好きな理由に「路上に現れる変質者も、雨の日は家に籠もりたいだろうから(遭遇せずに済む)」というものがあった。実際そういう統計があるかは知らんけど、雨の粒がアスファルトを打ち付けるたび、得体のしれない大きな何かに守られたよ…

豆を煮る

「フェミニズムとか、よくわからんのよ」と彼女は言う。 私にとっては、身動きの取れなくなった世界から脱するためにそれが必要だったことを伝える。リプロダクティブ・ヘルス/ライツの思想を知って、臨床家や研究者、芸術家が世に出してくれたサバイバーの…

2021年夏紀行(7月30日〜8月2日)

笹井宏之の歌は、いつも生活の延長線上にある。桃を食べるときにも浮かんでくる。突然再生されたと思ったらすぐに鳴り止む音楽のようでもある。 「透き通る桃に歯ブラシあててみる (こすってはだめ)こすってはだめ」 「嫌われた理由が今も分からずに泣いて…

2021年夏紀行(7月17日〜19日)

私が私のためだけに旅できるようになったのはいつからだろう。慣れた土地でも特定の誰かと過ごす時間を旅のように味わえるようになったのはいつからだろう。誰にも尽くす気がない、自分にしか興味がないことを一切隠さず振る舞う人と散歩し続けた夜以降かも…

生殖の結婚/生殖と結婚

愛する腐れ縁の子を初めて抱いたとき、この日のためにわたしは生き延びたのかもしれない、なんてそんなことを思った。嗚咽のなかで諦めそうになりながら待ち望まれた命。一歳半になる頃には血縁家族と猫の次にわたしの名前を覚えたらしい。定期的に会って遊…

待ち望まれた野良猫のように

引き寄せられるような家がある。それらは本当に存在していたのか疑いたくなるような場所なのだが、しかし確かな身体の記憶と共にある。 特製のコーンスープを用意してくれた、子を欲しがっていた伯母さん夫婦の暮らす寮。中学生になって始めて迎えたクリスマ…

名乗ることの恥について

水曜日、職場近くの豆腐屋で自家製合鴨弁当が280円(特別価格)で売っていて、どしゃ降りの後の乾いたコンクリートを突き進み、ピクニック気分で駅前のベンチでそれを味わう。ハイヒールで新宿の街を駆けるのに疲れて、帰宅する頃には和室に敷いた布団に吸い…

去る者追わず、やがてひとり眠れて

10年前の冬、添い寝フレンドだった人の家をたびたび訪ねては、あれは何色だったかなあ、やさしい香りのやわらかい布団に包まって眠っていた。あの日は冬で、それは青いロングスカートだった。駅のエスカレーターが昇る間にカシャカシャという音がして、振り…

墓場でキスをする(2021年6月近況)

『青野くんに触りたいから死にたい』というとんでもない傑作がある(なので15年ぶりくらいに月刊誌を購入してしまった)。 数日間付き合ってすぐに死んでしまった恋人「青野くん」が不在の世界で生き続ける意味はないと強迫的に後を追おうとした優里ちゃんと…

身体性について

世界バレエフェスティバルの時期がやってきた。2018年開催時はU29チケットでかなりお得に鑑賞できたので、連日劇場に足を運んだ覚えがある。今年もU29チケットの恩恵に与りたかったがU25チケットしか販売されておらず、新型コロナウイルスの影響を思う。せっ…

50年前の話

大学生に「ピザを注文するから一緒に食べよう」と自宅に呼ばれた日の道端の紫陽花。きれいだった。眩しかった。正直いうと、最近は心も体も猫背になってしまっていたから。4月初旬からパワーレス状態で、GWあたりから資格勉強が全く手につかなくなり、どうし…

家庭内ストリップ

ヨレヨレのパジャマ姿で寝転がっていると「お尻が丸くなったのでは?」とちょっと意地悪な口調で指摘されたので、「あらそう?見てみてよ。」と畳の上で仁王立ちした私は、Tシャツを捲り、ズボンを下ろし、下着を剥ぎ取って裸になった。少し間が空いた後、「…

爆音に埋もれ河原を走るときの

爆音を鳴らして走る車に出会う。これは騒音なのだ、と認識する前に「運転席は気持ち良いだろうな」という共感が過ぎる。田舎だけかと思ったら都心でもたまにああいう踊り狂った車たちに出会う。私もランニングをするときはあんな感じだ。クラシックやrie fu …

誰になら会いに行けるのか?

LINEアカウントが予期せず消滅してしまった。昔の携帯番号で新しいアカウントを作成する。プロフィール画像を愛する腐れ縁のお子とのツーショットにしたら彼女に「あなたの子と思われるよ?」と笑われる。何枚か差し替えて悩んだ挙げ句、父とのツーショット…

「もうあなたが戻ってこないかと思った」と言われた

「もうあなたが戻ってこないかと思った」と言われた。旅に出ていて、2週間ぶりに出勤した日のことだ。その人はいつも腹を空かせた私に寿司を食べさせてくれる、親子以上歳の離れた心理士で、尊敬している上司でもある。「この場所を拒絶しているのかと思った…

サバイバー紀行(12日目/最終日)

5月9日(日) ■9時30分 京都滞在最終日。午後14時から東京中野で面接を予定しているためそろそろ下宿先を出ないといけない。掃除機をかけ、お借りしたシーツ等を洗濯する。家主と恋人さんが京都駅まで見送ってくれる。また年内に会いましょうと話す。急いで…

サバイバー紀行(11日目)

5月8日(土) ■10時 スマホを開き、緊急事態宣言が月末まで延長されたことを知る。国民投票法改正案も採決された。オリンピック開催を強行する動きにも疲弊させられる(翌日追記:東京オリンピック開催中止の署名に加わった。栗田隆子さんのコメントに賛同す…

サバイバー紀行(10日目)

5月7日(金) ■10時45分 今日は京都シネマに向かう日。目当ては『戦場のメリークリスマス4K修正版』。大島渚監督が京都の人なので、この土地での初日上映に行きたいと前々からチェックしていたのだ。緊急事態宣言発令中も上映していることを確認。午前11時35…

サバイバー紀行(9日目)

5月6日(木) ■9時45分 快晴。起床して洗濯機を回す。今日は在宅勤務の日とする。会議に参加。約10日ぶりに職場用のメールアドレスを開く。関係者に電話を入れる。恐れていたようなことはなかったが、所属と立場を名乗っていると、東京の日々を思い出して疲…

サバイバー紀行(8日目)

5月5日(水・こどもの日) ■13時 今日も布団から起き上がれずにいたが、14時からランチの約束があるのでようやく動き出す。ついでに寝室と自室の掃除機がけをする。ぐるぐるした模様で目が回りそうだね、催眠術師のようだねと言われたことのある螺旋柄のワン…

サバイバー紀行(7日目)

5月4日(火・みどりの日) ■12時 布団からちっとも出られないが、子どもたちの駆け回る足音で目覚める。私の部屋で私を待っているようで、なんと可愛いのだろう、飛び起きる。滞在2日目に出会ったアーティストのお子さんである。今日は小学5年生のお子さんも…

サバイバー紀行(6日目)

5月3日(月・憲法記念日) ※5月5日18時に作成しているため、かなり記憶が曖昧になっています。 ■13時30分 眠くて起きられず。奔人会(ぽんちゅかい)という集いを開催するため、自転車で出発。よく調べもせずに適当な気持ちで走り出したが、あとから調べたら…

サバイバー紀行(5日目)

5月2日(日) ※5月5日2時に作成しているため、かなり記憶が曖昧になっています。 ■9時半 起床する。リビングに降りる。庭が賑やかである。滞在者たちがラジオ体操をしている。アイヌ語バージョンが流れ、そのあとは大阪弁バージョンにうつる。両方参加する。…