人生、添い寝にあり!

添い寝の伝承 (移転前 https://kmnymgknunh.hatenablog.com/)

わたしの身体を引き受けることにした(2)わたしを恥と思わせるすべてのものへ

精神状態が回復したんだな、と気づくのは同じ財布を使い続けて七年目になる時で、多少画面は割れているけど同じスマートフォンを使い続けて四年目になる時だったりする。あとはすべてが間に合わなくて、あるいはすべてのエネルギーが切れて徒歩十五分の距離が歩けなくてタクシーを使いまくっていた時期が遥か遠くのことのように懐かしめる時だったりする。

仕事でお世話になっている精神科医が「解離状態になれない人は自傷行為や何かへの依存を深めることで痛みから自分を切り離すしかない」と話していて、どちらが良いとかそういうわけではないけど、私は解離できる側の人だった。解離が一番ひどかった時は数ヶ月から半年に一回は財布がなくなってしまうので、しばらくジップロックに小銭を入れて生活していた。煙草と薬がどんな他者よりも身近な若者たちと一緒に(私はどちらも愛好せずに)煙たい香りの中で途切れた記憶のまま漂っていられたし、転職時の面接では汚れて曇って真っ白のレンズの眼鏡のまま「御社に惹かれた理由は」などと怪しげに語っていた。今は毎朝レンズを隅々まで拭いてから一日を開始している。こんな世の中だもの、人間だもの、そりゃ少しくらい狂うし崩れることもあるけれど、心の基盤は安定していて、休めば日常生活に復帰できるという具合だ。

そうやって、穏やかな生活をようやく手に入れた後すぐに体に異変が生じるというのはよくある話だ。年末に受けた定期検診の結果が悪くて、精密検査を何度も受けることになってしまって、三十五歳までには大きな手術をする可能性が高い。一難去ってまた一難。どうしようもない、予測不可能性は恨むよりも愛さねばならないというのは私の性分だが、三十五歳というのを区切りというか目標にして、戦友のようなこの身体を引き受けることにしようと決めた。

 

先日、性暴力裁判を傍聴する機会があった。それに立ち会うということは、一人の意志と覚悟を全身全霊で受け止める機会であることを学んだ。どうしても駆けつけたくて、職場にかけあったら特別休暇をもらうことができた。二十歳の頃、性暴力裁判のために弁護士や労働組合に相談していた頃を少し思い出した。暴力や虐待を受け続けると、人を信頼する力を取り戻すまでにすごく時間がかかることがある。尋問に対峙する、証言台に立つってことは、他者そして自身を信頼する勇気を持とうとすることだと思ったんだよ。だからこそ、(あなたの側に立つと)自分の立場を明確にして傍聴することが、確かにその日そこに存在するその人の証人になれることを知った。その場に立ち会わせてくれたあなたに心から感謝する。そしてあなたが今日まで生き延びてくれたことに心から感謝する。今もこれからも。

 

心身を病むということを、ときに整合性の取れない言動をしてしまうことを、一貫性がなく支離滅裂だと嘲笑われることを、「なぜ」を問うてもはぐらかされることを、「あった」のになかったことにされることを経験してきた。それ故に小馬鹿にしたり、お前が誘ったと責任転嫁したり、混乱や好意に漬け込もうとしたり、「軽視して良い方」と分類する他者の悪気のない言動を私は軽蔑してきた。私たちは私たちを恥と思わせるすべてのものに怒ってよかったし、いつだってそうしてよいのである。あるいは恥じらいながらもそれがどうしたと裸になってよいのである。「怒っているから祝っているのだ」と、それに改めて気づかされる夜がそこにはあって、激しく燃えさかる美しい炎を正面から見つめる夜があって、この日まで生きていて良かったとイオンモールの長い廊下で泣く夜があった。

 

最後に近況報告をしていく。

 

*養育のこと

こちらで書いた通り、今週さっそく里親の個別相談に行ってきた。

kmnym.hatenadiary.jp

公費でポリアラスな養育をやろうとしている訳なので、しっかりと批判された。ひとり親をやる覚悟が本当にあるのか、(配偶者関係とはまた別の家族の形について)こどもになんて説明するのか、なぜ自分では産みたいとは思わないのか、など。マイノリティであるだけで好奇の視線を浴びることは好きではないし、リプロダクティブ・ライツが叫ばれる世であるのに、積極的に産みたいと思わないだけで、過去に被虐歴やトラウマ経験など大きな理由があるのではないかと推測されるのはやっぱり良い気持ちがしない(直接そう言われた訳では無いがそういった偏見は福祉の業界でもある)。私が相談員の立場だったなら、情報収集するにしても、やはりその聞き方はしないかなとは思った。しかし前進あるのみなので、次回面談に向けて戦略を練ることにする。

面接前には、近所で暮らす数名が養育協力者として賛同してくれた。関西でも数名の奔放な女が手を上げてくれており、それがどんなに嬉しかったか。実際に皆さんの手を借りられる日が来ることを望んでいる。

 

春の訪れがとても良くて、昼休みに職場を抜け出してピクニックしている

*春からの生活

四月から働き方が大きく変わって、東京を離れることが増える。ひとまずこの一年はまとまった休暇が取れなくなるので、三月中になけなしの貯金を切り崩して小旅行をすることにした(病の早期発見のための定期検査もドタバタの貧乏旅行を計画遂行することも混沌の中で自己統制感と責任感を味えることで、心の健康に寄与する)。生活環境は変わるけど、いつも後悔のないように生きていて、そこのスタンスは変わらない。ストリップ劇場には毎月いるはずなので、気軽に「今月いつどこに行きます?」と話しかけてみてほしい。個別に会う関係ではなくても、劇場合流には賛成だし大歓迎です。

 

*SNS運用

そして一生会うことはないかもしれないけどインターネットで死ぬまで繋がり続けたい人(とても親愛なる関係だと思っています)がいたら、以下のアカウントをお好みでご自由にフォローしてほしいです(Xには見切りをつけて、今はインスタとmixi2を更新することが多いです)。

 

《Instagram 奔女会》

《Instagram 個人アカウント》

 

《mixi2コミュニティ スト活》

https://mixi.social/invitations/communities/YFJQ9EKK6TXQgkrLWYL1FN?communityid=e7dd03ce-ff98-4f05-b3da-106b65846a3a

 

《mixi2コミュニティ 添い寝アーカイブ》

https://mixi.social/invitations/communities/WkZzLoFEGARLQ3wMfsbA5y?communityid=dd35a6d6-d294-4ba6-8e67-80ce40957711

 

 

また、今年五月の文フリ東京では、長い付き合いのソウルメイトと出店予定なので、会いに来てくれたら嬉しいです。

それでは、以上、近況でした。

良い夢みてくださいね。