年の暮れ、魔女の姉様から「30年待つ」ことを提案してもらった。憑き物が落ちるようだった。2021年は全く自制が効かない年で、犯罪被害を経験し、東日本大震災が起こり、そんな人生の転機からちょうど10年の節目でもあった。たくさんの人を傷つけそして助けられてきたと振り返る時間も多かった。どこかで「デリカシーを持てるようになる条件は、自分のみっともなさによる喪失体験を積み重ねること」と読んだ。だいたいの人には絶対に踏み越えてはいけない領域がある。相手の痛みに対する感度が鈍ってしまった自身の至らなさに後から気付いてひどく落ち込むこともあれば、良かれと思っての鈍感な善意が苦しくてそっと去ることもある。
毎年恒例のバレエ鑑賞。舞踏歴70周年を迎えた森下洋子のくるみ割り人形を堪能し、海を眺めに行った。初めて降り立つ街。即興で流れ始めたサックスの音色を聴いたのちに新幹線に乗る。新年は関西で迎えることに決めていた。
愛する皆のご家族、パートナー、親密な方々を紹介してもらうような毎日でじんわり魂が満たされた*1。未来のわたしを支えるような歓びの旅だった。
ひとつ後悔がある。せっかく関西に居たのだから、ウトロの放火事件があった現場を訪れるべきだった。「忘れないで」「存在を無視しないで」というメッセージを受け取ったからには。
お互いに会いたいと願うなら、会えるタイミングを逃してはいけないなと思う。8月に大切な友人を亡くした。海外からの訃報のために最期に会うことができなかった。心の底からコロナ禍が恨めしかった。京都の寺院を参拝しながら「なんとか一年生きられますように、できれば誰も亡くなりませんように」と例年通りの願掛けをした。どんな日々を送れるだろう。体調崩しながらほどよく回復しながら、やらなくちゃいけないことをやろうと思う。皆さまもどうか生き延びてくださいね!
2021年印象的だったこと
・添い寝フレンドだった人と元カノ(腐れ縁)を出会わせることに成功*2
・やっとひとりで眠れるようになった
・編集業を経験
・家に招ける関係性の人が若干増えた
・講義依頼が7件くらいあったかも
・初めて演劇舞台に立ったが何者にもなりきれていなくて散々だった
・行き当たりばったりの人生で特に出費が多かった
・芸術/福祉分野の(性)暴力告発によって発足したネットワークの力強さ
・小松原さんに存在を認識してもらえた、生きてて良かった
・ワクチン三昧(コロナ、インフル、ヒトパピローマウイルス)
2022年最低限やること
・自分の身体を視覚的に記録する
・タップダンスを習う
・今年は試験に合格する(…)
・担当してきた業務を拡大し、事業(団体)を立ち上げる
・結婚指輪を4本くらい薬指にはめる
・みんなの奔放な魂をめちゃくちゃ大事にする、そして祝い続ける
・私のパートナーの子を産みたい人が見つかるといいな*3
・下半身を冷やさない(田中美津スパッツ節)
・自分の身体を生きる(変化を愛でながら)
・30歳を迎えたので、30代の目標を立てる
・非日本語コミュニケーションの機会を増やす
・添い寝の戯曲をつくる